2008年度 環境施設見学会
「廃プラスチックの資源化処理施設」

 
 2008年5月28日、23名の参加者により
 プラスチック資源中間処理施設:京浜島リサイクルセンター と
 容器包装プラスチックを扱う製鉄所:新日鐵(株)君津製鉄所 の見学会を実施しました。

 目黒区の一部地域では、資源の有効活用を進めるために、プラスチックごみの大半を占めるプラスチック製の「容器・包装」を資源として回収していますが、今年の10月から区内全域で実施することになりました。今回の見学会では廃プラスチックを資源化している処理施設を見学することになりました。まず、すでに資源回収をしている八雲地域の回収現場をバスから見学しました。

 次に、一般家庭から排出されたペットボトル、空き缶、容器包装プラスチックを圧縮減容化するための中間処理施設として京浜島リサイクルセンター(品川運輸株式会社)を見学しました。ここでは、収集車にて収集された収集袋を破袋機(はたいき)にて破り、磁石のついたコンベアでスチール製の空き缶を選別したり、選別コンベアで人手により異物を除去したりしたあと、資源物のみを圧縮減容して梱包し、リサイクル工場に送ります。

 この後、東京湾アクアラインを通り、君津にある新日鐵株式会社・君津製鐵所のプラスチックリサイクル施設を見学しました。ここでは、自治体から搬送してきたプラスチック(例えば、上記の京浜島リサイクルセンターから送られてきたプラスチック)を、コークス炉へ装入可能な品質・形状にするために異物除去・減容成形します。コークス炉では、密閉した炭化室内でプラスチックを無酸素状態のまま加熱することで熱分解します。そして炭化水素油、コークスとコークス炉ガスを回収します。

 再商品化された炭化水素油、コークスとコークス炉ガスは、それぞれ製鉄所内にある化成工場、高炉、発電所で有効活用されます。(100%の有効活用

 ・炭化水素油は、化成工場でプラスチック原料(軽質油とタール)に再商品化されます。
 ・コークスは、排熱回収後に高炉へ投入し、鉄鉱石の還元剤として利用されます。
 ・コークス炉ガスは、製鉄所内の発電所で燃料ガスとして利用されます。


 今回の見学会では、資源ごみの回収方法が10月から変更になるということで、参加者は説明者に多くの質問をしながら、熱心に施設を見学しました。特に人手によって異物を除去している作業には驚きました。資源・ごみの分別ルールを守り、正しく収集できるよう協力することが大切であることを感じました。
 
京浜島リサイクルセンターにて説明を聞く 家庭から排出された資源ごみは
コンベアで破袋機を経て、選別コンベアへ
人手による資源と異物の選別 圧縮減容して梱包された「資源プラスチック」
新日鐵(株)君津製鉄所で説明を聞く 第4高炉を背景に記念撮影 (23名)
 
( 新日鐵のプラスチックリサイクル施設は撮影禁止のため写真はありません )
 
(参考) 新日鐵・君津製鉄所 プラスチックリサイクル